2016年第2四半期(4月~6月)の国内商業不動産取引額(住宅、ホテルを除く)は前年同期比-22%、前期比-36%の4818億円だった。この結果、上半期(1月~6月)の取引額は2013年以降で最低となっている。2013年は世界金融危機や東日本大震災による市場低迷から活気を取り戻した年で、その2013年上半期と比べて2016年上半期は-35%だ。投資家の堅調な投資意欲に反して市場は停滞感を深めている。2016年2月の日本銀行によるマイナス金利導入の影響はいまだに不確定なところが多い。融資環境は借り手にとってより良くなったものの、第2四半期の取引額減少からもわかるように、投資額を拡大させるほどの効果はないようだ。売り手と買い手の目線のかい離は依然大きく、様子見を続ける投資家も存在する。英国のEU(欧州連合)離脱問題は世界の不確実性を増大させ、投資市場に影を落としている。