売買事例分析 2021年4月~6月の動向
投資意欲は高まるが、本格回復には至らず
東証REIT指数はコロナ禍前の高値に迫る水準を回復し、投資家の意欲も旺盛。しかし、第2四半期の売買高は例年と比べると低調だった。電通本社ビルの取引を筆頭に、事業会社による資産売却がかろうじて数字を下支えしている。復調の兆しは見えているが、市況の本格回復にはまだ時間がかかりそうだ。
オフィス市況トレンド 成約賃料調査
都内の過半エリアで賃料下落、東京駅は下限が6年ぶりの低水準に
本誌が四半期に一度、東京、神奈川、大阪のオフィスエリア28カ所を対象に実施しているオフィスビル成約賃料調査。今回は2021年6月末時点の結果をまとめた。大規模ビルの成約水準は下落傾向が続いている。東京都内では調査対象22エリアのうち12エリアで、半年前と比べて下落した。3カ月前との比較でも、全22カ所のうち、17カ所は上限か下限のいずれか、あるいは両方が1000円~3000円下落した。
オフィス市況トレンド 企業移転ニュース
汐留ビルからNTTコム退去、既存オフィスへの集約目立つ
売買レポート
- 2700億円前後で売却へ、電通がリースバック
- 三井不動産が91%取得、銀座のメルサ入居ビル
- サッポロが売却、譲渡益は220億円
- 湾岸道路近くの大型店舗、譲渡益100億円で
- 老舗料亭をオフィスに建て替えへ、野村不動産の取得で
- 西武鉄道が譲渡益128億円、野村不動産は物流施設に
- 325億円で2フロア、HISがリースバック
- 493億円で4物件、GLP投資法人
- 約68億円で住宅3物件、シンガポールのアスコットREIT
- 戸数31の新築メゾネットマンション、ブラックストーンがラ・アトレから
- 第一リアルターが売却、築地と上野のホテル
- 三井不レジが再開発、売り主は再出店を表明
- 221億円で3物件、フロンティアREIT
- ユナイテッド・アーバンが売却、58億円で宮益坂上の医療ビル
- 清水建設が賃貸運用、銀座4丁目の店舗・オフィス
- サンフロンティアが売却、築地と大京町で ほか
売買事例一覧 116件
直近3号分は日経不動産マーケット情報のトップページまたは画面右側の「売買事例一覧」からご覧いただけます。過去の売買事例データは、日本最大級の事業用・投資用不動産取引データベース、DEAL SEARCH(ディールサーチ)に収録しています。
ダイジェスト――開発、戦略、海外、注目レポートなど
- 渋谷二丁目西地区、総延べ床32万m2のビル開発へ
- セール&リースバック取引が2000億円に ほか