3月15日、世界最大の不動産カンファレンスであるMIIPIM(ミピム)が南仏カンヌで開幕した。5月のカンヌ国際映画祭で知られる海辺の町に集まった参加者は約2万人。不動産ファンド、政府系ファンド、年金基金などの投資家ら約4000人に加え、デベロッパーや建設会社、設計事務所、金融機関、自治体、仲介会社など多様な業種の人々が一堂に会するイベントである。2016年9月に大阪で開催予定の第2回MIPIM Japanをプロモーションする目的もあり、日本からの参加者は大手デベロッパーを中心に100人余りを数えた。

MIPIMが開かれている仏カンヌの会議場、Palais des Festivals(パレ・デ・フェスティバル)。カンヌ国際映画祭のメーン会場としても有名だ
MIPIMが開かれている仏カンヌの会議場、Palais des Festivals(パレ・デ・フェスティバル)。カンヌ国際映画祭のメーン会場としても有名だ
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 今年のMIPIMは、先週末にトルコの首都アンカラで起こった爆弾テロを憂慮する声がある以外は、おおむね穏やかな雰囲気で始まった。4日間にわたるイベントの皮切りは、午前8時にメーン会場前のマジェスティックホテルで開催された恒例のジャパン・ブレックファーストだ。セッションの数は公式のものだけで100件ほど、自治体や企業が展示ブースや周辺のホテルで独自に開催する大小のイベントを含めると400件以上に達する。

 2009年の初参加以来、日経不動産マーケット情報にとって8回目となる今回のイベント。カンヌでの市場センチメントは、ユーロ危機による混乱をはさみつつも、薄紙を剥ぐように少しずつ回復を続けている。ただし、ここに来て心配な材料も話題に上り始めた。