4月14日午後9時26分ごろに熊本県益城町で最大震度7を記録した地震で、同町の役場から南西に9kmほど離れた商業施設、イオンモール熊本(熊本県嘉島町上島2232)の外壁や内装の一部に被害が発生した模様だ。同施設で人的被害は出ていない。施設を運用資産に組み入れているイオンリート投資法人が15日に発表した。気象庁によると、イオンモール熊本がある熊本県嘉島町は、震度5弱以上の揺れが襲ったとみられる。

 イオンモール熊本は15日、館内での営業を休止し、屋外で食料品などライフラインに関する商品を販売しているという。15日午前10時時点で、16日以降に平常通りの営業を再開するかどうかは決まっていない。建物被害の詳細を確認中で、復旧の見通しは不明だ。火災が発生したと一部で報じられたが、「全くの誤報でそのような事実はない」と、運用会社のイオン・リートマネジメントは話している。

 イオンモール熊本は熊本市中心部から約8km、国道266号沿いにある。総賃貸可能面積は10万1132m2、うち店舗面積は7万9000m2でエリア最大級。イオンの直営スーパーや映画館をはじめ、約160テナントが入居している。

 2005年に「ダイヤモンドシティ・クレア」として開業後、投資法人が2013年に140億6000万円で取得した。2016年1月時点で、投資法人のポートフォリオに占める投資比率は7.2%だ。2015年7月期の有価証券報告書によると、PML値(予想最大損失率:475年間に一度起こる大地震で建物が被る損害額の最大値が、再調達価格に占める割合)は6.2%となっている。

 イオンの商業施設では、丸紅系のユナイテッド・アーバン投資法人が運用資産としているイオンモール宇城(熊本県宇城市小川町河江1-1)でも、天井パネルの一部剥離や床のゆがみ、外壁や内壁のひび割れなどが発生。スプリンクラーが破損して漏水する被害も生じた(詳しくはこちら)。イオンモール宇城は、熊本市中心部から南に22kmほどの場所にある。気象庁は15日午前0時3分に起こった余震の際、宇城市で長周期地震動の最大階級となる「階級4」を観測したと発表した。

 また、福岡リート投資法人も、熊本市内にある商業施設、熊本インターコミュニティSC(熊本県熊本市東区神園1-1-5)で建物の一部に軽微な被害があったと発表した。ただし、運用状況に影響を及ぼすような被害ではないという。


追加情報:2016年4月15日午後8時30分
イオンモール宇城の被害について追記した。