過熱感がいよいよ強まった2018年の不動産市場。史上空前の低金利と資金運用難を背景に投資ニーズは堅調で、キャップレートの圧縮が進んだ。取得担当者の苦労が続くなか、見事成約に至った高額取引事例を、日経不動産マーケット情報が2018年に伝えた取引ニュース872本の中からランキング形式で紹介する。

 1位はJR大阪駅の北側に広がる「うめきた」の第2期開発用地で、1777億7448万5625円。大阪市のコンペを勝ち抜いた三菱地所を代表とする9社の企業連合が、2020年9月以降に取得する予定だ。2位は推定1500億円の芝パークビル。関電不動産開発や東京ガス都市開発など7社が出資するSPCが手中に収めた。以下、REITによるバルク取引を中心に数百億円クラスの大型案件が並んだ。


[限]1位【1777億7448万5625円】うめきた2期民間宅地

うめきた2期の事業者が決定、総延べ床は52万m2に

独立行政法人都市再生機構(UR)は、JR大阪駅北側に広がるうめきた2期の開発事業者を決めた。選ばれたのは三菱地所を代表とする9社の企業連合。2024年夏の街開きをめざして開発を進める。[記事]


[限]2位【約1500億円】芝パークビル

芝パークビルを1500億円で取得、関電不動産開発など

関電不動産開発(本社:大阪市)を中心とした7社は、港区芝公園2丁目にある芝パークビル、通称“軍艦ビル”を取得した。価格は1500億円程度とみられる。売り主はアジア・パシフィック・ランド(APL)など4者。買い主は現状のまま収益不動産として長期的に運用する方針だ。[記事]


[限]3位【876億8000万円】DPL福岡糟屋など14物件

970億円で16物件を取得、大和ハウスリート

大和ハウスリート投資法人は、物流施設を中心とする16物件の取得を決めた。うち14物件はスポンサーである大和ハウス工業とそのSPCからのバルク取引で、金額は876億余りに上る。[記事]


[限]4位【848億5000万円】GLP大阪など8物件

【売買】848億円で8物件を取得、GLP投資法人

GLP投資法人は9月3日、GLP大阪やGLP新砂など物流施設8物件を取得する。売り主はいずれもスポンサーであるGLPのSPC。価格は合計848億5000万円だ。[記事]


[限]5位【705億円】東急プラザ銀座底地など3物件

東京・大阪で705億円の投資、アクティビア・プロパティーズ

アクティビア・プロパティーズ投資法人は2019年1月10日、東京と大阪で商業施設やオフィスビルなど3物件を取得する。売り主はスポンサーである東急不動産や同社のSPC。価格は総額で705億円だ。[記事]


[限]6位【619億円】プロロジスパーク吉見など5物件

619億円で5物件、プロロジスリートが取得

日本プロロジスリート投資法人は、物流施設5物件を取得した。合計価格は619億円。売り主はいずれもスポンサーであるプロロジスの特別目的会社だ。5物件の合計年間賃料収入は34億8700万円で、平均利回りは鑑定評価上のNOIベースで4.6%、想定NOIベースで4.7%となっている。[記事]


[限]7位【609億2600万円】SII幕張ビルなど6物件

SII幕張ビルなど6棟、シンガポールREITが600億円超で取得

シンガポールREITのMapletree North Asia Commercial Trustは、SII幕張ビルなどオフィスビル6棟を取得した。持分98.47%の取引で、価格は609億2600万円。残りの持分1.53%は、スポンサーの日本法人であるメープルツリーインベストメンツジャパン(本社:品川区)が保有する。[記事]


[限]8位【約600億円】ヒルトン東京お台場

ヒルトン東京お台場を600億円で取得、ヒューリックなど

ヒューリックと芙蓉総合リースは、港区台場1丁目のヒルトン東京お台場の持分を、それぞれ50%ずつ取得した。売り主は米Elliott ManagementのSPC。価格は600億円程度とみられる。その後、芙蓉総合リースの持分をヒューリックが買い取り、一棟すべてを所有している。[記事][続報]


[限]9位【600億円 】西新宿プライムスクエアなど4物件

600億円で4物件を取得、インベスコREIT

インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人は、オフィスビル4物件を取得する。価格は合計600億円。売り主はそれぞれ別のSPCだが、いずれもスポンサーの米Invesco(インベスコ)関連だとみられる。[記事]


[限]10位【538億4000万円】アイミッションズパーク印西など7物件

伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人、9月7日上場へ

伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人が9月7日、上場する。当初運用資産はアイミッションズパーク印西など物流施設7物件。取得価格ベースの資産規模は538億4000万円だ。[記事]

【注】国内における取引を対象とし、自己出資SPCからの取得は除外した。売り主が複数企業またはSPCであっても、それらが同じ企業グループまたは支配下にあればバルク取引としてまとめている。期中に物件が複数回取引された場合は直近の取引のみを採用。情報は記事掲載時点のもので、その後変更になっている可能性がある。



■11位~20位(参考)

関連記事