2011年の東日本大震災以降、首都圏で多くの就業者が帰宅困難となった経験から職住近接志向が強まり、大都市(主に東京23区)への人口流入が加速していた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、そうした状況に変化が生じた。それまで転入超過だった23区は2020年度にわずかだが転出超過に転じたのである。さらに興味深いのは、こうした人口移動の大幅な変容が23区に限られることだ。地方都市では、首都圏への人口流出が減少する一方、地方圏や地域ブロック内からの人口流入も減少。結果として流出減と流入減が相殺し、全体の人口移動(=転入超過率)の変化は小幅に留まった。今後しばらくは23区から郊外への動きが続くだろう。転出入者の主要な受け皿となる賃貸マンション市場で、稼働率や賃料の変化を注視していく必要がありそうだ。

日経不動産マーケット情報の年間購読者の方だけがご覧いただけます。ご登録のうえログインしてください。
日経不動産マーケット情報 購読のご案内

日経不動産マーケット情報のサイトをご利用いただくためのIDは、日経不動産マーケット情報のご購読1部につき1つを発行しています。ご購読いただくと、当サイトで過去の記事(売買事例や移転事例など)がご覧いただけるほか、検索機能もご利用いただけます。 すでにご購読いただいている方は、上記の会員登録・変更ボタンをクリックしてウェブサイトの会員登録をしてください。登録済みの方は、上記のログインボタンをクリックしてください。