2022年10月～12月期の新築マンション賃料は引き続き全般的に回復が見られた。

　面積帯ではおおむね大型住戸ほど高い上昇率が見られたが、今期は単身向け市場においても名古屋市以外で増額改定の動きとなった。各社強気の値付けも目立ち始め、この先の繁忙期に向けて本格的な回復が期待される。

　人口流入においては各地方の中心都市への流入が増加しており、特に東京都区部はその影響が顕著になっている。ノービザ観光の再開や有効求人倍率の上昇による労働力としての単身者増加により、単身向け市場の更なる回復が期待される。

　半面、賃貸マンションの着工量は高水準が続き、元々マーケット規模が小さい、比較的面積が大きな住戸タイプに供給が集中する地域などは注意が必要となる。分譲マンションの高騰が続き、コンパクト、ファミリータイプなどは上昇が続いており、当面底堅く推移するものと思われる。

■新築マンションの坪賃料（2022年第4四半期）
札幌市 都区部 横浜市 名古屋市 大阪市 福岡市
新築マンション
坪賃料
（円／坪）		 25m2
坪単価		 8,059 15,667 12,244 9,403 10,131 9,170
40m2
坪単価		 6,149 15,202 11,100 8,589 10,073 7,607
55m2
坪単価		 6,071 15,036 10,702 8,382 9,848 7,561
70m2
坪単価 		6,045 15,585 11,047 8,596 10,355 7,477
2022年
第4四半期
前年同期比 		25m2 8.3％ 2.1％ 0.4％ -0.8％ 0.2％ 2.6％
40m2 1.6％ 2.5％ -0.6％ 2.0％ 2.8％ 1.5％
55m2 -5.3％ 3.1％ -0.2％ 2.1％ 3.2％ 5.4％
70m2 2.3％ 4.8％ -1.7％ 2.6％ 7.2％ 5.8％
（資料：スタイルアクト）
■新築マンションの25m2における坪単価の前年同期比
札幌市 都区部 横浜市 名古屋市 大阪市 福岡市
2019年
(2018年比）		 第1四半期 8.2％ 5.8％ 3.0％ 1.7％ 2.2％ 0.9％
第2四半期 0.9％ 2.4％ 0.7％ 0.6％ 0.7％ 1.2％
第3四半期 1.9％ 1.2％ 1.2％ 0.3％ -0.9％ -0.6％
第4四半期 4.7％ 2.0％ 2.1％ 0.5％ -0.7％ -1.6％
2020年
（2019年比）		 第1四半期 4.8％ 1.8％ 1.6％ 0.4％ -1.0％ -1.6％
第2四半期 4.0％ 1.7％ 2.1％ 0.3％ -0.3％ -1.5％
第3四半期 2.5％ 1.8％ 2.0％ 1.0％ 1.5％ 2.2％
第4四半期 -4.5％ -1.2％ -0.7％ 0.0％ 1.2％ 5.4％
2021年
（2020年比）		 第1四半期 -4.5％ -2.3％ -1.5％ -0.9％ 0.8％ 4.6％
第2四半期 -3.4％ -1.7％ -1.8％ -1.1％ 0.5％ 4.4％
第3四半期 -3.9％ -1.8％ -0.8％ -1.4％ 0.1％ 2.7％
第4四半期 -7.8％ -0.7％ -0.2％ -0.9％ 0.3％ 2.0％
2022年
（2021年比）		 第1四半期 -1.3％ -0.4％ 0.5％ -0.9％ 0.5％ 1.7％
第2四半期 -2.0％ -0.3％ 1.2％ -1.2％ 0.3％ 1.8％
第3四半期 0.2％ 0.8％ 0.7％ -0.3％ 0.4％ 3.3％
第4四半期 8.3％ 2.1％ 0.4％ -0.8％ 0.2％ 2.6％
参考：
2022年
（2019年比）		 第4四半期 -4.6％ 0.1％ -0.5％ -1.8％ 1.7％ 10.4％
（資料：スタイルアクト）

澤邦夫、脇山真美子（スタイルアクト）