2023年4月～6月期の新築マンション賃料は前年同期比ですべてのセグメントにおいて上昇となった。

　面積帯では大型住戸ほど上昇率が高い傾向が継続しており、特に相対的に単価が安い福岡エリアにおいては高い上昇率となった。繁忙期を終えても各社強気の値付け姿勢は変わらず、賃料のアップサイド傾向は続いた。

　人口流入においては、各地方の中心都市への流入増加は続いているが、東京都区部は突出した流入増加を継続している。インバウンドの大幅な回復やアフターコロナとなり飲食業の就業増加など都市部への流入要素は増加しており、単身向け市場においても回復傾向が継続している。

　半面、賃貸マンション着工量の上昇傾向は続いており、東京都大田区など流入の回復が遅れながら着工量が多いエリアなどは引き続き注意が必要となる。ただし、分譲マンションの高騰が続いており、新規供給も限定的なためファミリータイプの家賃は当面底堅く推移するものと思われる。

■新築マンションの坪賃料（2023年第2四半期）
札幌市 都区部 横浜市 名古屋市 大阪市 福岡市
新築マンション
坪賃料
（円／坪）		 25m2
坪単価		 8,163 16,032 12,493 9,534 10,275 9,301
40m2
坪単価		 6,275 15,472 11,727 8,620 10,118 7,876
55m2
坪単価		 6,089 15,381 11,239 8,441 10,177 7,974
70m2
坪単価 		6,135 15,846 11,383 8,716 10,671 7,694
2023年
第2四半期
前年同期比 		25m2 2.6％ 3.5％ 0.7％ 0.9％ 1.1％ 3.8％
40m2 2.4％ 3.1％ 4.6％ 0.4％ 2.3％ 3.8％
55m2 3.1％ 4.3％ 4.2％ 1.0％ 4.0％ 11.2％
70m2 1.2％ 4.2％ 3.0％ 2.2％ 5.5％ 8.9％
（資料：スタイルアクト）
■新築マンションの25m2における坪単価の前年同期比
札幌市 都区部 横浜市 名古屋市 大阪市 福岡市
2019年
(2018年比）		 第1四半期 8.2％ 5.8％ 3.0％ 1.7％ 2.2％ 0.9％
第2四半期 0.9％ 2.4％ 0.7％ 0.6％ 0.7％ 1.2％
第3四半期 1.9％ 1.2％ 1.2％ 0.3％ -0.9％ -0.6％
第4四半期 4.7％ 2.0％ 2.1％ 0.5％ -0.7％ -1.6％
2020年
（2019年比）		 第1四半期 4.8％ 1.8％ 1.6％ 0.4％ -1.0％ -1.6％
第2四半期 4.0％ 1.7％ 2.1％ 0.3％ -0.3％ -1.5％
第3四半期 2.5％ 1.8％ 2.0％ 1.0％ 1.5％ 2.2％
第4四半期 -4.5％ -1.2％ -0.7％ 0.0％ 1.2％ 5.4％
2021年
（2020年比）		 第1四半期 -4.5％ -2.3％ -1.5％ -0.9％ 0.8％ 4.6％
第2四半期 -3.4％ -1.7％ -1.8％ -1.1％ 0.5％ 4.4％
第3四半期 -3.9％ -1.8％ -0.8％ -1.4％ 0.1％ 2.7％
第4四半期 -7.8％ -0.7％ -0.2％ -0.9％ 0.3％ 2.0％
2022年
（2021年比）		 第1四半期 -1.3％ -0.4％ 0.5％ -0.9％ 0.5％ 1.7％
第2四半期 -2.0％ -0.3％ 1.2％ -1.2％ 0.3％ 1.8％
第3四半期 0.2％ 0.8％ 0.7％ -0.3％ 0.4％ 3.3％
第4四半期 8.3％ 2.1％ 0.4％ -0.8％ 0.2％ 2.6％
2023年
（2022年比）		 第1四半期 1.8％ 3.2％ 0.2％ 0.6％ 0.7％ 2.3％
第2四半期 2.6％ 3.5％ 0.7％ 0.9％ 1.1％ 3.8％
参考：
2023年
（2019年比）		 第2四半期 1.1％ 3.1％ 2.2％ -1.1％ 1.6％ 8.7％
（資料：スタイルアクト）

澤邦夫、脇山真美子（スタイルアクト）