2023年7月～9月期の新築マンション賃料は前年同期比で、一部を除きすべてのセグメントにおいて上昇傾向が続いている。

　賃貸市場において、新規供給が少ない大型住戸はやや変動が大きいが、新規供給の中心となる25m2帯において全エリアで上昇となった。土地取得価格の高騰に加え、建築単価の上昇、また着工から竣工までの期間も従前と比較し長くなっており、当面この傾向は継続となる見込みだ。

　人口流入においては、各地方の中心都市への流入増加は継続しており、特に都区部への人口流入はいまだ高い水準にある。地方都市においても地域経済圏の中心となる各政令指定都市、その中でもターミナル駅やオフィス、商業が集積する行政区に人口も流入する傾向がみられている。

　一方で、賃貸マンション着工量は引き続き高水準となっているものの、持ち家価格の高騰から賃貸住宅に住む世帯数は年々増加傾向にあり、都市部の中心部においてはむしろ住宅は供給不足の状況である。

■新築マンションの坪賃料（2023年第3四半期）
札幌市 都区部 横浜市 名古屋市 大阪市 福岡市
新築マンション
坪賃料
（円／坪）		 25m2
坪単価		 8,080 16,102 12,458 9,503 10,300 9,420
40m2
坪単価		 6,252 15,614 11,618 8,690 10,091 7,743
55m2
坪単価		 6,267 15,516 11,081 8,499 10,289 8,273
70m2
坪単価 		6,276 15,906 11,272 8,560 10,808 7,921
2023年
第3四半期
前年同期比 		25m2 1.4％ 3.7％ 1.3％ 0.5％ 1.5％ 3.9％
40m2 2.1％ 3.4％ 5.9％ 0.9％ 1.3％ 2.4％
55m2 3.4％ 4.5％ 3.4％ 1.7％ 3.8％ 14.1％
70m2 -0.2％ 3.1％ 1.1％ 0.0％ 4.5％ 14.4％
（資料：スタイルアクト）
■新築マンションの25m2における坪単価の前年同期比
札幌市 都区部 横浜市 名古屋市 大阪市 福岡市
2019年
(2018年比）		 第1四半期 8.2％ 5.8％ 3.0％ 1.7％ 2.2％ 0.9％
第2四半期 0.9％ 2.4％ 0.7％ 0.6％ 0.7％ 1.2％
第3四半期 1.9％ 1.2％ 1.2％ 0.3％ -0.9％ -0.6％
第4四半期 4.7％ 2.0％ 2.1％ 0.5％ -0.7％ -1.6％
2020年
（2019年比）		 第1四半期 4.8％ 1.8％ 1.6％ 0.4％ -1.0％ -1.6％
第2四半期 4.0％ 1.7％ 2.1％ 0.3％ -0.3％ -1.5％
第3四半期 2.5％ 1.8％ 2.0％ 1.0％ 1.5％ 2.2％
第4四半期 -4.5％ -1.2％ -0.7％ 0.0％ 1.2％ 5.4％
2021年
（2020年比）		 第1四半期 -4.5％ -2.3％ -1.5％ -0.9％ 0.8％ 4.6％
第2四半期 -3.4％ -1.7％ -1.8％ -1.1％ 0.5％ 4.4％
第3四半期 -3.9％ -1.8％ -0.8％ -1.4％ 0.1％ 2.7％
第4四半期 -7.8％ -0.7％ -0.2％ -0.9％ 0.3％ 2.0％
2022年
（2021年比）		 第1四半期 -1.3％ -0.4％ 0.5％ -0.9％ 0.5％ 1.7％
第2四半期 -2.0％ -0.3％ 1.2％ -1.2％ 0.3％ 1.8％
第3四半期 0.2％ 0.8％ 0.7％ -0.3％ 0.4％ 3.3％
第4四半期 8.3％ 2.1％ 0.4％ -0.8％ 0.2％ 2.6％
2023年
（2022年比）		 第1四半期 1.8％ 3.2％ 0.2％ 0.6％ 0.7％ 2.3％
第2四半期 2.6％ 3.5％ 0.7％ 0.9％ 1.1％ 3.8％
第3四半期 1.4％ 3.7％ 1.3％ 0.5％ 1.5％ 3.9％
参考：
2023年
（2019年比）		 第3四半期 0.1％ 4.5％ 3.2％ -0.2％ 3.5％ 12.7％
（資料：スタイルアクト）

澤邦夫、小田桐知誠（スタイルアクト）