日本橋室町東地区の開発予定地
日本橋室町東地区の開発予定地

 三井不動産は5月9日、2007年度から10年間の長期経営計画「新チャレンジ・プラン2016」を発表した。前半の5年間で総賃貸可能面積52万m2のオフィスビル、同52万m2の商業施設を新規稼働させる計画で、3年後の2009年度には、連結営業利益を2006年度比36%増の2200億円にまで拡大する方針だ。

 新経営計画では、賃貸オフィスビル事業などの「保有」、マンション分譲や投資家向けの「開発」、不動産投資信託(REIT)などに関連した「マネジメント」の3事業をコア事業とし、約4:3:3の割合でバランスよく展開する。このうち保有事業については、連結営業利益を2006年度の753億円から約200億円増やし、2009年度には950億円を確保する計画だ。新規稼働する物件の増加に加え、既存ビルの賃料引き上げなどによって100億円強の利益の上乗せを見込んでいる。

 開発事業では、年間7000戸の分譲住宅を供給する体制を早期に構築する。投資家向けの開発では施設のバリエーションや事業手法を拡げ、M&Aやグループ外の企業との連携も強化する。マネジメント事業では、REITや私募ファンドなどの預かり資産を拡大する。2006年度の資産額2兆3500億円に対して、2009年度は40%増の3兆3000億円、2011年度は4兆円をめざす。マネジメント事業の2009年度の営業利益は、2006年度比34%増の640億円を目標とする。

 このほか、コア事業と組み合わせて都市再生事業にも注力する。中央区日本橋室町の三井第三別館跡地などに高層ビルを建設する「日本橋室町東地区開発計画」、高島屋東京店を中心に周辺地域を再開発する「日本橋2丁目再開発」、千代田区有楽町の「三信ビル・日比谷三井ビル建て替え」、警察病院跡地を含めた「富士見2丁目地区10番地区再開発」などを進める。

 このうち日本橋室町東地区開発計画は、三井第三別館跡地など五つの街区に高層ビルを建設する計画で、2007年3月に、東京都に都市再生特別地区の計画案を提出した。提案通りに都市計画決定された場合、総延べ床面積は18万6574m2となる。第三別館跡地の街区は2007年内に着工し、2009年度の完成を予定している。そのほかの街区は2013年度までの完成をめざして順次、着工する。