市場分析レポート・ディレクトリ
各社・研究機関の不動産市場に関する調査レポートを発表日順に掲載しています。要約等の掲載にあたり正確性に細心の注意を払っていますが、その記述内容について日経BP社が保証するものではありません。内容についてご不明な点は発行元にお問い合わせください。なお発行元の都合により原レポートへのリンクが切れる、あるいは別のレポートにリンクされる場合があります。
主要指標(外部リンク)
レポート一覧
インフラ投資市場を四つのキーワードで整理、三井住友トラスト基礎研
日本のインフラ・PPP投資市場の環境がようやく整いつつある。この市場は「インフラ」、「PPP」、「PFI」、「コンセッション」という四つの基本キーワードを使い、インフラ⊃PPP⊃PFI⊃コンセッションという包含関係を持った集合として表現できる。そして、政府などが設定している数値目標もこれらの要素として整理できる。2013年6月に内閣府の民間資金等活用事業推進会議が決定した「PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプラン」では、今後10年間で12兆円規模のPPP/PFI事業の推進という目標が掲げられたが、これは上述の表現を使えばPPPに含まれる要素となる。
前年同期比で大幅減続く首都圏マンション販売、不動産経済研
2014年9月に首都圏で発売された民間マンションは前年同月比(YoY)-44.1%、前月比(MoM)+58.1%の3336戸と、8カ月連続でYoYマイナスとなっている。契約率はYoY-12.0ポイント、MoM+2.0ポイントの71.6%と、販売の好不調の目安となる70%を回復した。価格は、1戸あたりがYoY-5.6%の4764万円、1m2あたりがYoY-6.6%の66万5000円。販売在庫はMoM+79戸の3505戸だ。
新宿区や渋谷区でまとまった空室床に品薄感、三幸エステート
2014年9月における都心5区の大規模オフィスビル市場は、空室率が前月比-0.13ポイントの4.51%と低下した。千代田区や港区を中心に⼆次空室の発生を上回るペースで現空床の解消が進み、空室率を押し下げた。一方、新宿区や渋谷区では大型移転の受け皿となるまとまった面積の空室床に品薄感が強く、空室率の低下余地が乏しくなっている。坪あたりの募集賃料(共益費込み)は同+423円の1万8848円と上昇した。募集面積は45万2256坪と7カ月連続で減少が続いている。
都心5区の空室率が5%台に、三鬼商事
2014年9月末時点における都心5区のオフィス空室率は、前年同月比(YoY)-2.25ポイント、前月比(MoM)-0.37ポイントの5.65%と15カ月連続で低下した。解約が少ないなかで大型成約が見られ、空室面積はMoM-2万7000坪程度と減っている。新築ビルは、新築1棟の満室で竣工し、竣工1年未満の大型ビルにも成約があったため、空室率はYoY-4.22ポイント、MoM-4.27ポイントの13.90%と低下している。既存ビルは、統合などに伴う大型解約があり、解約も少なかったことから、空室率はYoY-2.23ポイント、MoM-0.30ポイントの5.47%となった。また都心5区の坪あたり募集賃料はYoY+3.54%、MoM+0.45%の1万6805円。新築ビルはYoY+5.56%、MoM+1.54%の2万7000円、既存ビルはYoY+3.35%、MoM+0.47%の1万6600円だ。
都内のリテール市場は堅調を維持、Cushman & Wakefield
テナントの景況感はマダラ模様だが、都内主要商業地のリテール市場は堅調に推移し、2014年第3四半期(7月~9月)も積極的な新規出店が確認できた。表参道では、デルボーが旗艦店をジャイルに、ザディグ・エ・ヴォルデールが直営店をグラッセリア青山に、それぞれ出店した。銀座では、J・フロントリテイリングや森ビルなどが「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」(延べ床面積約14万7000m2、2016年11月開業予定)の準備室発足とリーシング開始を、東急不動産が「銀座5丁目プロジェクト(仮称)」(延べ床面積約4万9700m2、2015年秋開業予定)の着工を、それぞれ発表している。消費税後の需要の反動減や賃料の高騰でテナントの物件に対する見方はよりシビアになっているが、地価高騰で不動産売買市場は高めで推移し、大都市一等地の賃料も上昇トレンドを継続している。
小規模倒産が目立った2014年度上半期、東京商工リサーチ
2014年度上半期(4月~9月)の不動産業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同期比(YoY)+16.10%、前期比(HoH)+4.84%の173件だった。年度上半期としては2年ぶりにHoHプラスとなっている。負債総額はYoY-12.18%、HoH-66.76%の801億700万円と、年度上半期として6年連続のHoHマイナスだ。負債100億円以上の倒産が1件にとどまったのに対し、負債5000万円未満の小規模倒産が83件と増加が目立っている。
不動産業の倒産件数が4カ月連続でYoYプラス、東京商工リサーチ
2014年9月の不動産業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比(YoY)+29.16%、前月比(MoM)-18.42%の31件と、4カ月連続でYoYプラスだった。負債総額はYoY+44.16%、MoM-75.49%の59億7400万円となっている。負債5000万円未満の倒産が15件と小規模倒産の増加が目立っている。
大阪圏で物流施設の大量供給時代に、一五不動産情報サービス
東京圏の物流施設市場では、2013年から新規供給が新規需要を上回る需給バランスになっている。今後もこの傾向が続いて需給バランスは緩和し、2016年7月には空室率が6.4%まで上昇する見通しだ。坪あたりの賃料水準は、2014年7月の3990円から2016年7月に4040円まで上昇する予測となっている。一方、大阪圏は2014年に新規供給と新規需要がともに40万m2を突破し、2007年以来の大量供給時代に突入する。空室率は緩やかに上昇するが、2016年7月でも3.3%にとどまるだろう。賃料
サ高住と一般賃貸住宅の総収入を比較、三井住友トラスト基礎研
首都圏においてサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と一般賃貸住宅の賃料総収入を500mメッシュでシミュレーションし、どちらの収入が多くなるかを分析した。この結果、品川区や世田谷区では一般賃貸住宅の方が、練馬区や葛飾区ではサ高住の方が多いという結果を得た。今後予想される労働人口の減少や高齢者人口の増加、コンパクトシティ化を考慮すると、サ高住が有利なエリアが中心部にシフトしていく可能性も考えられる。サ高住の新規開設にあたっては現状の需給だけではなく、将来見通しも踏まえた立地特性の見極め能力が求められるだろう。
2013年の全国オフィス新築が200万m2割れ、不動研
2014年1月時点のオフィスビルストックは全都市で8298棟、延べ床面積1億672万m2だった。このうち2013年の新築分は63棟、171万m2で、3年ぶりに200万m2を超えた2013年から再び200万m2割れとなっている。一方、2013年に取り壊されたストックは71棟、83万m2だ。新耐震基準(1981年)以前に竣工したストックは2670棟、3020万m2と全体の28%を占め、都市別では福岡(42%)と札幌(41%)が4割を超え、京都(38%)や大阪(37%)も高い。規模別に関しては、3000m2~5000m2のストックが面積ベースでは10%程度、頭数ベースでは30~40%を占めている。なお今回から、東京区部、大阪、名古屋の調査対象を従来の延床面積5000m2以上から拡大、主要都市と同じ3000m2以上に統一した。
世界の都市別投資で東京が3位に返り咲き、Cushman & Wakefield
2013年7月~2014年6月における都市別投資ランキングのトップは4年連続でニューヨークだった。投資額は前年(2012年7月~2013年6月)比+12.6%の554億米ドルとなっている。2位も前年同様にロンドンで、同+40.5%だった。ロンドンはクロスボーダー投資(海外からの投資)額ではトップとなっている。3位に返り咲いた東京は、同+30.4%でロサンゼルスを抜いた。なお世界の不動産投資総額は同+17.2%の7880億米ドルに達した。国内投資が同+11.3%にとどまる一方、クロスボーダー投資が同+38.8%となっている。
東京都心部の居住者の特徴、ニッセイ基礎研
統計を基に東京都心部の居住者の特徴をまとめた。20代~40代の若い世代の居住比率が高く、単身世帯が多い(中央区や港区では夫婦(DINKS)世帯も多い)。20代~30代前半の転入者数が多いことに加え、出生数も多く、自然増となっている。外国人に関しては、中国や韓国・朝鮮国籍が多いが、都内居住外国人のうち都心5区に居住する比率が高いのは米英仏などの欧米系だ。高所得世帯が多く、マンション価格や家賃は他の地区を大きく上回る。持ち家マンションでは千代田区などを中心に広い住宅の構成比率が高い一方、賃貸マンションでは30m2未満の比率が東京都の平均より高い。
高水準の売買取引額もバブル発生懸念は杞憂、都市未来総研
金融緩和と景気回復基調が続くなか、不動産の売買取引額や取得時キャップレートなどは、私募ファンドなどが牽引して不動産投資が過熱した2006年~2008年ごろのファンド・バブル期の水準になってきた。さらにREIT(不動産投資信託)の寡占状態だった買い主業種構成が多様化し、不動産私募ファンドの新規組成がファンド・バブル期に迫る件数になるなど、現象面では不動産バブルの顕在化が疑われる状況となっている。しかし、不動産市場の基礎条件は安定的で、実体とかけ離れた取引が連鎖する状況にない。イールドスプレッドは厚く不動産価格には上昇余地があり、オフィスビルの賃料水準もようやく底打ちしてこれから上昇に向かう段階だ。今のところ、バブル発生の懸念は杞憂だと考えられる。
私募REIT市場が拡大、ケネディクス
私募REIT(不動産投資信託)による物件取得が活発で、2014年3月末に運用資産残高が7000億円を超えたようだ。2014年3月にブローディア・プライベート投資法人とケネディクス・プライベート投資法人が運用を開始し、既存私募REITも活発に増資している。さらに2014年8月末時点で、佐川急便グループのSGリアルティとザイマックスが共同出資するSGアセットマックスが運用するSGAM投資法人、東京海上不動産投資顧問が運用する東京海上プライベートリート投資法人、住商リアルティ・マネジメントが運用するSCリアルティプライベートリート投資法人、丸紅アセットマネジメントが運用する丸紅プライベート投資法人の4投資法人が設立されている。京阪電気鉄道も私募REITの設立をめざして京阪アセットマネジメントを設立したようだ。
東証REIT指数が6カ月連続上昇、東証
2014年9月末の東証REIT(不動産投資信託)指数は、前月比+21.99ポイントの1670.89だった。下落して始まった後に上昇基調に転じ、最終的には6カ月連続の上昇で年初来高値(終値ベース)を更新している。月末時点の市場全体の時価総額は市場開設来初めて9兆円を突破した。月間の東証REIT指数先物の取引高も2万8639単位と過去最高を更新している。日本銀行による買い入れは7回・41億円、累計買入額は1593億円となった。オリックス不動産投資法人、日本リテールファンド投資法人が公募増資を発表した。なお10月1日付で日本ヘルスケア投資法人の上場が承認された。有料老人ホームおよびサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を中心に投資するREITで、11月5日に上場予定だ。
都心5区マンション賃料が前年同期比+2.9%と上昇、サヴィルズ
2014年第2四半期(4月~6月)における東京23区のミッドマーケットのマンション賃料は対前年同期比+1.1%の1m2あたり3565円(1坪あたり1万1785円)だった。調査した7エリア中6エリアで賃料が上昇している。特に都心5区では同+2.9%の1m2あたり4110円(1坪あたり1万3580円)に達した。唯一下落したのは北部(外部)で、同-0.5%の1m2あたり3090円(1坪あたり1万円)となっている。なおREIT(不動産投資信託)が東京23区に保有する住宅物件の平均稼働率は96.3%。2010年第3四半期以来95%超の状況が続いている。
オフィス床不足で成約ペースが減速、Cushman & Wakefield
2014年第3四半期(7月~9月)の東京Aグレードオフィス賃貸市場では、テナントからの移転の問い合わせ数が前期比で増加した。しかし、テナントが希望するオフィス床が不足気味で、成約ペースは減速した。多くのテナントは館内増床がやっとで、市場はやや減速気味だ。今期の新規供給ビルは前期と同様、2013年より高水準の稼働率で竣工している。グレードAオフィスへの健全な実需要が見られる。2015年の新規供給は品川シーズンテラスなど第1四半期に集中する予定だ。グレードA市場は軟化しないと予想する。
REIT時価総額が9兆円を突破、ARES
2014年9月末時点のREIT(不動産投資信託)46銘柄の時価総額は9兆800億円と、初めて9兆円台に到達した。2014年5月に8兆円を突破してから4カ月で約1兆円増加している。この間、新規上場は1件のみで、既存REITの増資も比較的活発だったが、最大の上昇要因は投資口価格の上昇だ。9月末の時価総額が5月末比+10.4%だったのに対し、東証REIT指数は同+6.8%となっている。9月末の東証REIT指数は2013年末比+10.3%、年初来高値の1670.89を記録した。日本銀行が量的・質的金融緩和を決めた2013年4月の水準まで上昇している。なおREITが9月に発表した資産取得は22件で合計1776億円、売却発表は4件172億円。同月に取得を完了した資産は1608億円、10月以降に取得予定の資産は1642億円だ。売却については9月に149億円を完了し、10月以降に112億円を予定する。
年金の不動産投資が緩やかな増加傾向、ARES
不動産に投資している機関投資家の割合は、年金では前年調査比+3ポイントの46%と微増だった一方、一般機関投資家では同-1ポイントの86%と微減だった。不動産投資をする年金の比率は、リーマンショック後の2009年を底に緩やかな増加傾向にある。不動産への資産配分(アセットアロケーション)割合は、年金では同+0.1ポイントの1.4%、一般機関投資家では同+0.1ポイントの1.2%と、おおむね1%強で推移している。年金の投資対象は、REIT(不動産投資信託)が前年より減少する一方、私募REITが増加し、その割合はREITを上回った。海外不動産へ投資している年金の割合は16%。その対象国は北米が5割弱で最も高く、次いで英国の20%だった。投資スタイルはコアが9割弱を占めている。
中央・渋谷・新宿区でマンション募集賃料が下落、LMC
2014年8月末時点の都心5区マンション募集坪単価は中央区が前月比-186円と最も大きく下落した。続いて渋谷区が同-134円、新宿区が同-64円となっている。港区は同+7円、千代田区は同+23円とほぼ横ばいだった。なお前年同月比では5区ともプラスで推移している。